マツダのクルマが光り輝く理由を分析する〜BM型アクセラスポーツから感じること〜

マツダのクルマが光り輝く理由を分析する〜BM型アクセラスポーツから感じること〜

 

マツダといえば、昔からヨーロッパでの人気が高く、日本国内で売られるプロダクトも他のメーカーのものとは一線を画し、シャープなハンドリング、硬めの乗り心地、シンプルでシックな内装など、ハッキリとヨーロッパ車の匂いがプンプンするクルマが多かった。

  僕も個人的には1985年に登場した2代目サバンナRX-7は、本気で欲しいと思ったマツダ車だった。

当時まだ中学生で、映画ブレードランナーのテーマに合わせてスプーンコーナーを颯爽と駆け抜けていく白いRX-7のTVCMのカッコよさに感動したのを今でも覚えている。

のちにこのクルマはカーグラフィック誌の長期テスト車にも採り上げられ、赤いGT-Rという下から2番目のグレードを、当時このクルマの担当者だったモータースポーツエディターで、現フリーモータージャーナリストの熊倉重春さんが自らのセンスでモディファイを重ねて、日本国内はおろかシチリア島まで空輸してクラシックカーレース【ミッレミリア】の取材の足として使ったりされた。

国際ナンバーを取り付け、ボンネットにプレス関係者を表す大きなステッカーが貼られた赤いRX-7が疾走する姿は、シチリア島の風景にも難なく溶け込み、クルマ好きの少年の心を鷲掴みにした。

また当時、神戸三宮のマツダショールームに1台のRX-7の展示車があるという情報をキャッチし、実車を見るために西宮から三宮まで自転車を走らせたことがあった。

もちろん実車を見るのはこの時が初めてで、いぶかるセールスさんの視線なぞおかまいなしに、細部に渡って見て触れて観察した。

ただ、ドアハンドルや各種スイッチ類など、手に触れる部分の動作感はスムーズさに欠けて【ガサツ】かつ【チャチ】であることに少しだけがっかりしたのもこの時だった。

後年免許を取って自分で運転するようになってさらにマツダ車の現実を知ることになる。

ロータリーエンジンはまだいいとしても、他のガソリンエンジンの回転フィールはクルマ全体の建てつけ同様に【ガサツ】であり、また、他のメーカーのクルマと比べて経年劣化の進行が早く感じるなど、積極的に欲しいとは思えないクルマに成り下がってしまった。

 

初代アクセラが出たあたりから徐々に変わり始めた

 

そんなクルマが多かったから、よほどのマツダファンでない限りはここのクルマを指名買いする者はおらず、『商談の席に座っただけで即30万引き』などという都市伝説が存在し、また、それは概ね事実だったのでマツダ車の下取り・中古車相場は全体的に低く推移し、ひとたびマツダ車を新車で買ってしまうと、二度とマツダ車からは抜け出せなくなるというスパイラルも現実に存在した。

そんな流れが変わりはじめたのは、それまでマツダの屋台骨だった『ファミリア』が役目を終え、後継としてCセグメントクラスを担う『アクセラ』が登場したあたりからだろうと思っている。

残念ながら初代のアクセラに乗った経験はないが、初代から正常進化を重ねた2代目のBL型アクセラに初めて乗った時に、それまでのマツダ車とは明らかに違う内外装のクオリティの高さと、洗練されたエンジンのフィーリング、そして初期ゲインが極めて高く面白いほどシャープなハンドリングにびっくりしたものだ。

BL型アクセラをひとつの過渡期として、先代CX-5あたりから始まった【魂動デザイン】によってマツダのブランドイメージが確立され、それは現在のBM型アクセラはもちろん、デミオやCX-3などの最新マツダプロダクトにも完全に落とし込まれている。

最近のマツダを見てると、明らかに【デザイナーの地位】が尊重されてることがわかる。

これはちょっと前までの日本車メーカーではありえなかったことだ。

デザイナーがいい仕事をしても、商品企画を練る上でアタマが固いオジサン連中やエンジニア組に潰される・・・というのが日本車メーカーの中で繰り広げられる常識だった。

ところが、マツダは大胆にこの部分にメスを入れたという。

その結果が現在の魂動デザインによるブランドイメージの確立に繋がっている。

そしてマツダがスゴイのは、クルマのデザインだけではなくクルマを【売る】ためのインターフェイスのデザインにも拘った。

それは販売拠点であるショールームのデザインだ。

そのホスピタリティ性の高さで定評のある、レクサスのショールームにも勝る勢いの、黒とダークウッドを基調としたハイセンスなショールームに順次リニューアルするマツダディーラーを頻繁に目にする。

  

 

そしてあるマツダディーラーでは、全ての展示車のホイールのセンターキャップに施されたCIマークの向きをちゃんと揃えていたのを目にして、とても驚いた。

細かいことだが、こんなことをやってるのは、少なくとも普通の日本車のショールームでは見たことがない。

そこでクルマを買った顧客はもちろん、商品であるクルマそのもの、そしてそこで働くスタッフ、マツダに関わる人たち全員をヒーローにし、全てにおいて満足度を高めるのが狙いだろう。

 

マツダのクルマは、もはやヨーロッパのクルマと肩を並べた

 

僕はいまBM型アクセラスポーツに乗っているわけだが、前に乗ってたBL型アクセラスポーツでも感じたのは、マツダのデザイナーはイタリア車のような情熱的なイメージを自社の車に与えたいのだろうな、ということだ。

 

 

具体的には、内外装ともにアルファロメオやメルセデス、 BMW、ボルボといった欧州や北欧のCセグメントカーをよく研究した跡が見られ、そこへ 先代CX-5から始まり、アテンザを経て【魂動デザイン】で培ったマツダ独自のエッセンスを見事に融合させることでマツダオリジナルのデザインに仕上げることに成功している。

  

 

細かいことをいえば、それはメーターのデザイン、そしてタコメーターの文字盤のレタリングからも感じ取れる。

計器盤のセンターに大きなタコメーターをドンと据え、タコメーターの右下部分にデジタル表示のスピードメーターを配置するのは、最近のフェラーリやランボあたりのスーパースポーツ系の鉄板パターンであり、タコメーターそのもののデザインと回転数を表す数字のレタリングはクルマ好きのソウルをくすぐるものだ。

余談だが、最新のマツダ車のタコメーターのレタリングは極めて普通のものに変更されているから、これは前期モデルだからこそ預かれる恩恵のひとつだろう。

結果、BL型と見比べた時に『これが同じアクセラスポーツなのか?』と思ってしまうほど大きく進化しているのがイヤでもわかる。

つまりはもともと日本車の美点だった【信頼性の高さ】はそのままに、ソフト面ハード面ともにイッキに世界の高みに駆け上がった、ということだ。

したがって僕個人的には、同じCセグメントであればほとんどのヨーロッパ勢と肩を並べ、対等の位置に立ったのではないか?と思っている。

僕のBM型アクセラスポーツについてはまた後日詳しく書くが、日頃BM型アクセラスポーツに乗っていると、あくまでもドライビングそのものを楽しみたい派の僕にとって、もはやクルマはこれで十分だなと思ってしまう。

これはBL型アクセラスポーツに乗ってた頃には決して感じなかったことだ。

今後のマツダ車の動向が楽しみだ。

 

The following two tabs change content below.
徳川貴文(Takabou)
何ものにも縛られないストレスフリーなライフスタイルを追い求めてマルチに働きマルチに遊ぶ自由人です。一度きりの人生を自分らしく自分の価値観で面白おかしく自由に生きるために、日々活動しています。詳しいプロフィールはこちらからどうぞ。